青い糸【完】












と、そう言った途端に雨は勢いよく降り出した。




「「......」」





あたしたちは慌てて近くのお店の前で雨宿りをした。




「あー...。やっぱり来たなあー...」

「...どうする?佐伯の家、ここからじゃ遠いでしょ?」

「うーん。ここらで雨宿りでもしてるよ。たぶん通り雨だろうし、すぐに止むかもだし」

「そっか」

「梨咲乃は、帰ってもいいよ?傘あるんだし、ここでいても時間のムダなんじゃ...」

「......あ、あたしも待っとくよ」

「え?」





きっとあたしの頬は今、熟れた林檎みたいに赤いんだろう。












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