青い糸【完】













「────よし、じゃあそろそろ帰る?」

「そうだね。時間も時間だし」







外に出ると、冬の冷たい風がブワっと吹いた。



「「さむっ」」




反射的に出たその言葉は、見事に北原くんとハモってしまった。






「はは。やっぱりもう冬なんだなー」

「そうだね」




背中を丸くして、腕をさする北原くんが笑いながらそう言った。







「だいぶ暗いし...。梨咲乃、家まで送っていくよ」

「え!?いいよ、大丈夫だし!」

「ダメダメ、危ないよ」

「でも...。北原くん、家どっち?」

「こっち」




と、あたしの家と逆方向を指差した。










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