青い糸【完】
それからの会話は、当たり障りのない会話。
だけどすごく楽しかった。
「あ、もうこの辺で大丈夫だよ」
家の近所に到着し、あたしはそう言った。
「...そ?今日はありがとな。楽しかった」
「あたしも。勉強も出来たし」
「......なあ、梨咲乃」
「?」
「............いや、やっぱなんもない」
「え、なに?言ってよ、気になる」
「いや、いい」
「...?」
「じゃ、帰るな」
「うん。本当にありがとう」
「いーよ。また明日」
「ばいばい」
「...1人で抱え込むなよ」
去り際にそう言った北原くんは、あたしの頭にポンと手を置いてから「じゃ!」と言って帰っていった。
「......」
なんだか不思議に思いながらも、あたしも家に向かった。