青い糸【完】
「ちょっと俺、トイレ行ってくるわ」
「おー」
北原くんが席を外し、病室には佐伯とあたしだけ。
「それにしても、やっぱり元気だね」
「そう?まあ、さすが俺って感じだな!」
「うん、確かに」
「へへ。...あのさ、梨咲乃」
「?」
「確認したいことがある」
「......」
その言葉と声で、その“確認したいこと”がなんなのかすぐに分かってしまった。
「......俺の母親...って...梨咲乃の、“あの人”だったりする?」
「............」
佐伯はいつもより真剣な瞳で聞いてきた。
だけど、聞くことに迷いがあったのか、言葉が少し誤魔化されていた。