青い糸【完】
「────公園か」
たどり着いた場所は、家からそう遠くはない公園だった。
「ここの外灯きれてるから、星が見えやすいだろ?」
「うん。ナイスアイデア」
「ははっ」
佐伯は、はしゃいでいる子供のように滑り台に登りはじめた。
あたしは近くにあったブランコに腰掛ける。
「...なあー」
「ん?」
「......梨咲乃は、大学行かないんだよな」
「うん。行くんだったら、今頃外出てないよ」
「そだな!...明日は優翔の受験だよなー」
「うん。...北原くんなら、きっと大丈夫だよ」
「だよな。......アイツなら大丈夫だよな」
「.........」
「.........」
自然と会話がなくなり、あたしはブランコを漕ぎ出した。
佐伯は滑り台の上から夜空を眺めていた。
時折吹く冷たい風に、佐伯の髪の毛がさわさわと揺れていて
なんだか胸の辺りがきゅっと痛かった。