青い糸【完】
「やっぱり...梨咲乃じゃん......」
「......きた、はらくん...?」
「そう、北原...北原 優翔!」
「.........久しぶり!」
がっかりした自分がいた。
北原くんに会えたのは嬉しかった。
だけど、あたしのことを名前で呼ぶ人と考えれば、一番初めに思い浮かぶのは...佐伯だったから。
声も全然違うのに、心のどこかで“佐伯かもしれない”と思ってしまった。
「だな!最近、全然会えてなかったから......。って、梨咲乃ここで働いてるの?」
「ああ、うん。北原くんはどうしてここに?」
「あー、俺もここで働くことになって......」
「......もしかして、今日入ってくる新人の人って、北原くん?」
「たぶん」