青い糸【完】
恋だと気づいて
爽やかな日だった。
だからといって、特別な日じゃないけれど。
「梨咲乃」
「?」
唐突にあたしの名前を呼んだのは、北原くんだった。
日曜日。
人が少なくなってきた図書館で、あたしと北原くんは作業していた。
「.........この本って、ここじゃなくない?」
「え?」
あたしが本棚にしまおうとしていた本をヒョイ、と持ち、そう言った。
確認してみると、確かにジャンルが全く違った。
「あ、本当だ」
「どうしたの?らしくないね」
「あー、ちょっと寝不足で」
「そっか」