青い糸【完】
なぜか、あたしの口からは意味のない返事でさえもこぼれていく。
「...なんか、梨咲乃変わった?」
「え?」
「やけに...その、優しく返事返してくれてる......あ!俺に気ぃ遣ってるとかだったらごめん!大丈夫だから!」
振り返り、あたしを見ながら慌ててそう言った佐伯。
そんな姿が少しおかしいと思いながらも、いつも通り無表情で返事を返す。
「違うよ。そんなつもりじゃない」
「...そっか」
へへっと安心したように笑うと、佐伯は再びあたしに背中を見せて作業を開始した。
......自分でもわかる。
「......今日のあたし、なんか変だ」