王子?不良?それとも、ホスト?
…でも、そんなこと口が裂けても言えない。

「…ない、です。」

あたしは、逸樹さんの顔を見ないで答えた。

…シーン。
ザァ────

部屋の中は、静まり返って外で降る雨音だけが聞こえる。


少しすると逸樹さんは、何も言わないまま部屋から出て行ってしまった。

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