君のところへあと少し。
(その3)波留と和也
9
早朝。
まだ薄暗い朝の海に彼を見つけた。
波に揉まれ果敢に攻めるナリの姿を。
それまでは特に気に留めなかった。
友達、という感覚。
筋肉バカくらいに思っていた彼の強靱な肉体が、何故必要なのかわかった。
サーフィンには詳しくない。
でも、ナリが努力しているのは見ていてわかった。
かっこいい。
そう思った。
一度気になるとダメだった。
気持ちが抑えられなくなった。
だから、バレない様に素っ気ない態度をとる。
ホントは好きなのに。
甘い物が大好きで、スーツが似合ってて、片腕で自分を軽々と抱き上げてくれる、笑顔の可愛いヒトを。
隠してたのに。
なんで奏は簡単に言うんだろう。
「それなのにさ、ハルはナリに対して素っ気ない態度ばっかり。
見ていてイライラするよ。
だってさ、ナリはハルをスキなんだよ。
両思いなのにさ。」
奏はふてくされた様に窓を見る。
真夏の海はたくさんのカップルや親子連れで賑わっている。
今日は夏祭り。
更に多くのお客さんが集まるだろう。
まだ薄暗い朝の海に彼を見つけた。
波に揉まれ果敢に攻めるナリの姿を。
それまでは特に気に留めなかった。
友達、という感覚。
筋肉バカくらいに思っていた彼の強靱な肉体が、何故必要なのかわかった。
サーフィンには詳しくない。
でも、ナリが努力しているのは見ていてわかった。
かっこいい。
そう思った。
一度気になるとダメだった。
気持ちが抑えられなくなった。
だから、バレない様に素っ気ない態度をとる。
ホントは好きなのに。
甘い物が大好きで、スーツが似合ってて、片腕で自分を軽々と抱き上げてくれる、笑顔の可愛いヒトを。
隠してたのに。
なんで奏は簡単に言うんだろう。
「それなのにさ、ハルはナリに対して素っ気ない態度ばっかり。
見ていてイライラするよ。
だってさ、ナリはハルをスキなんだよ。
両思いなのにさ。」
奏はふてくされた様に窓を見る。
真夏の海はたくさんのカップルや親子連れで賑わっている。
今日は夏祭り。
更に多くのお客さんが集まるだろう。