スロウダンス
ステップ1
待って!

待って!

息を切らしながら走る。波打ち際を走る。

今は朝なのか夕方なのか、私を追いかけるように背後から低い位置で日が射している。

前を行く人は、逆光でハッキリとは見えないが、背は高く砂浜を馴れた足取りでどんどん進んでいく。

私はというと、砂に足を捕られ一生懸命走ってるのに、距離は全く縮まらない。

誰だか分からない背中を夢中で追いかける。

けれど、私には分かるんだ。何回もこの光景を繰り返しているから。

15歳からずっと・・・

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