スロウダンス
ポットの温度を確認して、保温状態から再沸騰させる。

給茶機はポットのすぐ横にある。

ボタン1つで、簡単にお茶が用意出来るから、大概の人は、手軽な給茶機を使う。

でも、やっぱり粉っぽくて美味しくない。

だから、私は手間は掛かっても、自分で入れるお茶が好きなのだ。

もしかしたら、実家が喫茶店というのも影響しているかもしれないけれど。

(午前中は、コーヒーだったみたいだから、ほうじ茶なんかいいかな?)

お茶の缶を開けると、ふわっと芳ばしい匂いが辺りに広がった。

人数によって急須に入れる茶葉の量を調整する。

熱いお湯を注いで、少し時間を置いたら・・・

(よし、いいかな・・・)

試しに少し器に出すと、綺麗な茶色が。

(丁度いいみたい。)

途中、お湯を足しながら2周してお茶の用意が出来た。

お盆に15人分のお茶をのせて、ヨロヨロしながらも会議室へ向かった。

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