スロウダンス
智子の決断
週明けから怒濤の忙しさだった。
まず、正木部長へ相良部長のお話しを受ける事を告げると、
「うん、君なら出来ると推薦したのは僕だからね。」
と、ニコニコ顔で答えが返ってきたのには、拍子抜けしてしまった。
その日から、早々と自分の仕事を後輩達に引き継ぎにかかる。
「私、来月から企画業務推進部へ異動になる予定なんだ」
と皆に言うと、
「そんな…藤曲先輩がいなくなったら、仕事回らなくなりますよー!」
「藤曲先輩には、いつも助けてもらいぱなしで…」
異動する事を惜しむ声が返ってきて、じーんとしてしまう。
気が付けば、この部署で女子一番の年長者だ。
(8年間、ここでがむしゃらやってきたんだなぁ…)
感慨に浸ってると、
「相良部長と仲良くなったら飲み会設定してくださぁい。」
と甘ったるいピント外れな声がした。
チラリと声の主を見やると、お調子者の加山。
「よしっ!加山さんに飲み会設定するから、一番仕事量を振り分ける事にしよう!」
「げっ!」
「さぁーっ、飲み会の為に頑張ろうねぇ」
私が、ドサドサ机にファイルを積み上げるのを見て、みるみる顔色が変わっていく。
(これを期に彼女には、一歩進んだ仕事をしてもらわなきゃね…)
ーーーーー
時間もあまりない事も相まって、かなりの駆け足で引き継ぎを進める。
教えるのは、教わるより大変かもしれない。
部署に後輩が入れば教えていたけれど、「自分もいるから」と、どこかのんびり構えていたかもしれない。
いざ仕事の全部を引き渡すことになると、キリがない。
気が付けば、私がずっと喋りぱなしで声はガラガラ。
そして、みんなが帰った後に、困った時に確認するための引き継ぎファイルを作ったり、
やらなきゃと思いつつ後回しにしていたファイリングをやり終え、
長くお世話になった業者の人達やお客さまへの後任の挨拶を済ますと、もう1月も終わろうとしていた。
まず、正木部長へ相良部長のお話しを受ける事を告げると、
「うん、君なら出来ると推薦したのは僕だからね。」
と、ニコニコ顔で答えが返ってきたのには、拍子抜けしてしまった。
その日から、早々と自分の仕事を後輩達に引き継ぎにかかる。
「私、来月から企画業務推進部へ異動になる予定なんだ」
と皆に言うと、
「そんな…藤曲先輩がいなくなったら、仕事回らなくなりますよー!」
「藤曲先輩には、いつも助けてもらいぱなしで…」
異動する事を惜しむ声が返ってきて、じーんとしてしまう。
気が付けば、この部署で女子一番の年長者だ。
(8年間、ここでがむしゃらやってきたんだなぁ…)
感慨に浸ってると、
「相良部長と仲良くなったら飲み会設定してくださぁい。」
と甘ったるいピント外れな声がした。
チラリと声の主を見やると、お調子者の加山。
「よしっ!加山さんに飲み会設定するから、一番仕事量を振り分ける事にしよう!」
「げっ!」
「さぁーっ、飲み会の為に頑張ろうねぇ」
私が、ドサドサ机にファイルを積み上げるのを見て、みるみる顔色が変わっていく。
(これを期に彼女には、一歩進んだ仕事をしてもらわなきゃね…)
ーーーーー
時間もあまりない事も相まって、かなりの駆け足で引き継ぎを進める。
教えるのは、教わるより大変かもしれない。
部署に後輩が入れば教えていたけれど、「自分もいるから」と、どこかのんびり構えていたかもしれない。
いざ仕事の全部を引き渡すことになると、キリがない。
気が付けば、私がずっと喋りぱなしで声はガラガラ。
そして、みんなが帰った後に、困った時に確認するための引き継ぎファイルを作ったり、
やらなきゃと思いつつ後回しにしていたファイリングをやり終え、
長くお世話になった業者の人達やお客さまへの後任の挨拶を済ますと、もう1月も終わろうとしていた。