スロウダンス
『ピロリン♪』
社内メールが1通届いた。
from 総務部 森
sub ランチ
===============
お疲れ!
仕事はどう?
久々に今日は
外にランチ行かない?
================
森先輩からだ。そういえば、仕事が忙しすぎて、お昼は自席で取っていた。
先輩ともゆっくり話してないなぁ…
私はすぐさまOKの返信をする。
またすぐに返信が戻ってきて、会社近くの洋食屋で待ち合わせる事になった。
-----
『カラン』とドアベルを鳴らして店に入ると、奥の二人がけのテーブルで森先輩が手を振っていた。
会社すぐの洋食屋『山猫食堂』は、ランチ時は、いつも賑わっていて満席だ。
「お疲れ様~。藤曲ちゃんも本日のランチで頼んじゃったから。牡蠣フライだって。」
「ありがとうございます。牡蠣フライ好きなんで。」
お礼を言いながら、椅子に腰をかけると、
「いよいよ明日から新部署だね、こうして一緒にお昼する事も無くなるのかしら?」
眉尻を下げながら、森先輩が質問する。
「う~ん…。相良部長とは今後の事は詳しく話してないんですが、やっぱり外へ行く機会は増えそうなんですよね。」
「そっかぁ。寂しいわぁ…イジル子がいなくなるのは。」
「…私はイジラれ役ですか。」
唇を尖らせると、森先輩は私の反応を見てニヤニヤしている。
「お待たせしましたぁ~本日のランチです。」
ぽっちゃりした女将さんが、狭い店内を縫うように進んで、テーブルにランチを運んでくる。
「わぁ♪美味しそう、いただきま~す。」
手を合わせて、熱々の牡蠣フライにかじりつく。
サクッとした歯応えのすぐ後に濃厚な味が口に広がって、美味しさのあまり溜め息が出る。
それから二人で黙々と箸を進めて、食後の珈琲が運ばれた時、ミルクを垂らした珈琲の渦を眺めながら、森先輩がポツリと話始めた。
社内メールが1通届いた。
from 総務部 森
sub ランチ
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お疲れ!
仕事はどう?
久々に今日は
外にランチ行かない?
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森先輩からだ。そういえば、仕事が忙しすぎて、お昼は自席で取っていた。
先輩ともゆっくり話してないなぁ…
私はすぐさまOKの返信をする。
またすぐに返信が戻ってきて、会社近くの洋食屋で待ち合わせる事になった。
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『カラン』とドアベルを鳴らして店に入ると、奥の二人がけのテーブルで森先輩が手を振っていた。
会社すぐの洋食屋『山猫食堂』は、ランチ時は、いつも賑わっていて満席だ。
「お疲れ様~。藤曲ちゃんも本日のランチで頼んじゃったから。牡蠣フライだって。」
「ありがとうございます。牡蠣フライ好きなんで。」
お礼を言いながら、椅子に腰をかけると、
「いよいよ明日から新部署だね、こうして一緒にお昼する事も無くなるのかしら?」
眉尻を下げながら、森先輩が質問する。
「う~ん…。相良部長とは今後の事は詳しく話してないんですが、やっぱり外へ行く機会は増えそうなんですよね。」
「そっかぁ。寂しいわぁ…イジル子がいなくなるのは。」
「…私はイジラれ役ですか。」
唇を尖らせると、森先輩は私の反応を見てニヤニヤしている。
「お待たせしましたぁ~本日のランチです。」
ぽっちゃりした女将さんが、狭い店内を縫うように進んで、テーブルにランチを運んでくる。
「わぁ♪美味しそう、いただきま~す。」
手を合わせて、熱々の牡蠣フライにかじりつく。
サクッとした歯応えのすぐ後に濃厚な味が口に広がって、美味しさのあまり溜め息が出る。
それから二人で黙々と箸を進めて、食後の珈琲が運ばれた時、ミルクを垂らした珈琲の渦を眺めながら、森先輩がポツリと話始めた。