スロウダンス
いつもより30分早く目覚めた。
部屋は冬の空気をたっぷり含んで、冷え冷えしている。
まだ眠い目を擦りながろ、ゆっくり起き上がり、石油ストーブの着火口に火を点けた。
ゆっくりと部屋が暖まる迄、ベットで微睡ろんでいると、アラームが鳴った。
さて、今日はぐすぐずしていられない。
思い切って布団を捲り上げる。
そして、ハンガーに掛けてある真新しいスーツを手に取った。
=========
会社に着いて、いつもと同じ場所にタイムカードを探すが、見つからない。
昨日のうちにタイムカードが移動されたらしく、気付けば相良部長の下、『企画推進業務部』へと移っていた。
モタモタしている私に、後ろから舌打ちが聞こえて、慌ててカードを通す。
ペコッとお辞儀をして、後ろを見やると、髪を綺麗に撫で付けた、銀縁の眼鏡をかけた細身の男性だった。
着ているコート、マフラーにしても、一目で上等なものだと分かる。
相良部長もおしゃれだが、もっと遊びがある。この人は、隙がなさすきだ。
止まる私に目もくれず、足早に横を通り抜けて行く。
その時、私の背後から声がした。
「まったく、嫌な奴だぜ。」
部屋は冬の空気をたっぷり含んで、冷え冷えしている。
まだ眠い目を擦りながろ、ゆっくり起き上がり、石油ストーブの着火口に火を点けた。
ゆっくりと部屋が暖まる迄、ベットで微睡ろんでいると、アラームが鳴った。
さて、今日はぐすぐずしていられない。
思い切って布団を捲り上げる。
そして、ハンガーに掛けてある真新しいスーツを手に取った。
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会社に着いて、いつもと同じ場所にタイムカードを探すが、見つからない。
昨日のうちにタイムカードが移動されたらしく、気付けば相良部長の下、『企画推進業務部』へと移っていた。
モタモタしている私に、後ろから舌打ちが聞こえて、慌ててカードを通す。
ペコッとお辞儀をして、後ろを見やると、髪を綺麗に撫で付けた、銀縁の眼鏡をかけた細身の男性だった。
着ているコート、マフラーにしても、一目で上等なものだと分かる。
相良部長もおしゃれだが、もっと遊びがある。この人は、隙がなさすきだ。
止まる私に目もくれず、足早に横を通り抜けて行く。
その時、私の背後から声がした。
「まったく、嫌な奴だぜ。」