私とキミの距離


篠田くん。


気づいて。


気づいて。


そう心が叫ぶ。



でも、言えない。


言ってしまったら、この関係が変わってしまうから。


きっと、今までみたいに話せなくなる。


遠く遠くの存在になってしまう。


私には、今の関係を壊す勇気はない。



だから、その想いを押しとどめた。



『ありがとう!


ところで、篠田くんは好きな人いるの?』




そして……


自分から逃げた。
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