私とキミの距離



――…そんな祈りは


簡単に崩されたけれど。




手の中からケータイがポロッとこぼれ落ちた。


ポス…と布団に落ちた音が虚しく響く。





『えっ!?俺ですか!?


…いるよ』




その文字に、胸が締め付けられた。




「篠田くん…好きな人いたんだぁ……」




前がぼやいて霞む。

なんとか吐き出した言葉と共に溢れ出した涙。 
< 125 / 382 >

この作品をシェア

pagetop