恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
第3章 誰よりも大切なヒト

独りぼっちの兎

「それで、誰かいい人見つかりました?」

カナちゃんがふと思い出したように尋ねる。

「いや…何人か候補はいたんだけど、やりたいジャンルが合わなくって」

「気にしなくてもいいですよ。焦らずに探していきましょ。きっといい人見つかりますよ」

~それに見つからなくても今のまま2人で始めてもいいし~
カナは心の中でつぶやく。
「だといいんだけどね。今日は時間大丈夫?」

「はい、今日は法事で親出かけてるんで門限ないんです」

いたずらっ子のようにカナは微笑む。

「そっか。でも未成年の子あまり夜遅くまで連れ回すのもちょっと、ね」

「はい…そうですよね」

残念そうにうつむくカナを見て、ナオキはすかさずフォローを入れる。

「あ、ペットショップだ。ちょっと見ていかない?動物嫌いじゃなかったら」

「あたし動物大好きですっ。親が厳しくて飼ったりはできないんですけど」

「うちと一緒だな、つってもこっちはアパートだから飼えないだけなんだけど」
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