恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
「それって…」
「やっぱり俺、カナの事が好きだ。歌だけじゃなく今まで知らなかった事も全部知っていきたい。
だから…俺と付き合ってくれないか?」
「こ、断るわけないじゃないですか。てっきり、追い討ちかけられると思ってたから…」
「それで、お詫びといっちゃなんだけど、これ…良かったら」
そう言ってロッカーに隠しておいた花束を差し出す。
「綺麗…胡蝶蘭ですよねこれ」
「さすが女の子だな、花には詳しいんだね」
何かを思い出したようにカナは顔を赤くした。
「もしかして、この花の花言葉調べたりしました?」
「ああ、花屋の店員さんから勧められてね。告白向きだって」
「お母さんも昔、お父さんから貰ったんだって嬉しそうに話してくれたんです。<あなたを愛します>って。あれ、嬉しいのに涙出てきちゃった…」
同じ日に二回も俺は同じ子を泣かせてしまった。
ただ、少なくとも今の涙は悲しみなんかじゃない。
そう実感した俺は無言でカナを抱き寄せた。
「あ…」
「これからは敬語なんか使うなよ。もう彼氏彼女なんだから」
「うん…大好きだよ、ナオキくん」
こうして、音楽が導いた俺たちの出会いは思いがけない形を経て、愛へと変わった。
バンドメンバー探しはまた振り出しに戻ったけど、これからはカナがそばにいてくれる。
改めて一から出直すとしよう。かけがえのない、最愛の人の為に…
「やっぱり俺、カナの事が好きだ。歌だけじゃなく今まで知らなかった事も全部知っていきたい。
だから…俺と付き合ってくれないか?」
「こ、断るわけないじゃないですか。てっきり、追い討ちかけられると思ってたから…」
「それで、お詫びといっちゃなんだけど、これ…良かったら」
そう言ってロッカーに隠しておいた花束を差し出す。
「綺麗…胡蝶蘭ですよねこれ」
「さすが女の子だな、花には詳しいんだね」
何かを思い出したようにカナは顔を赤くした。
「もしかして、この花の花言葉調べたりしました?」
「ああ、花屋の店員さんから勧められてね。告白向きだって」
「お母さんも昔、お父さんから貰ったんだって嬉しそうに話してくれたんです。<あなたを愛します>って。あれ、嬉しいのに涙出てきちゃった…」
同じ日に二回も俺は同じ子を泣かせてしまった。
ただ、少なくとも今の涙は悲しみなんかじゃない。
そう実感した俺は無言でカナを抱き寄せた。
「あ…」
「これからは敬語なんか使うなよ。もう彼氏彼女なんだから」
「うん…大好きだよ、ナオキくん」
こうして、音楽が導いた俺たちの出会いは思いがけない形を経て、愛へと変わった。
バンドメンバー探しはまた振り出しに戻ったけど、これからはカナがそばにいてくれる。
改めて一から出直すとしよう。かけがえのない、最愛の人の為に…