恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
「これが横浜中華街か…実は俺ここ来るの初めてだったりする」

「え、そうなの?あたしは小さい頃何回かあるよ」

「カナと違って元々東京人じゃないからな、俺。長崎の方の中華街なら修学旅行で行った事あるけど」

「そう言えばナオキくんの地元ってどんなとこ?いつか行ってみたいな」

「何も無い街だよ。しいて言うなら日本で一番韓国に近い街、かな。あとは海産物、ふぐとかふぐとかふぐとか。あ、花火大会は東京にも負けない規模だな。毎年本州側と九州側でそれぞれ花火競い合ってるよ。もう今年は終わったみたいだけどな」

「すごーい、迫力ありそうだね。来年、一緒に見れたらいいなぁ」

「あぁ、約束な。地元の人間しか知らない超穴場に連れてってやるよ」

「わー楽しみ。その時はあたしの浴衣姿、見せたげるね」

「浴衣もいいけど、折角中華街来てんだからチャイナドレス着てみない?」

「これ…身体のライン丸わかりだよぉ、恥ずかしい」
「カナなら似合うって、お願いだから試着だけでもしてくんないか?」

「ナオキくんがそこまで言うなら…多分似合わないけど絶対笑わないでね?」

そう言ってピンクのロングドレスを試着する。普段おねだりとかナオキくんはしないから特別だよ。
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