恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
第5章 angel's snow

新たな決意

「それで高崎は進路どうするんだ?未定のままじゃ分からんだろう」

「とりあえず家事手伝いかフリーターにします。
進学にしろ就職にしろ、やりたい事とかまだ見つかってませんから」

「分かった。冬にまた改めて面談するからそれまでには考えておくように」

「はい、では失礼します」

「どうだった?怒られたでしょ」

「うん、クラスで進路が決まってないのはお前だけだってきつく説教されちゃったよ」

「カナも適当に専門学校とか書けばよかったのに」

「あたしそういう誤魔化すのとか苦手だから…。
でもマイがうらやましいな。お菓子作り得意で製菓の専門って進路バッチリじゃん。サヤカも家族の為に介護の専門行くって言ってるし」
「カナだってスカウトの話来てたじゃない。それに彼氏と一緒にプロ目指すって道もあるよ」

「あ、ダメダメ。付き合う代わりにあたしヴォーカル外されちゃったし、ナオキくんすっごい本気だから」
「だからこそだよ。プロの中にだってメンバー同士結婚してる人たちもいるんだし、1度聞いてみたら?案外うまくいくかもよ」

「無理だと思うけどな…とりあえず聞くだけ聞いてみるね」


「ナオキくん、聞きたい事あるんだけどいい?」

「おう、どした?」

「あのね…言いにくいんだけど、もし、もしあたしがまた一緒にバンドやりたいって言ったらどうする?」
一瞬、2人の間に沈黙が流れる。
マイ、やっぱり無理かも…
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