恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
「構わないけど1つ条件がある。
まだ1曲だけだけど俺が初めて作った歌がある。
それを俺が満足できる形で歌いきったら合格。ダメならその話は無しだ」

「え…それだけでいいの?絶対反対されると思ったのに」

「あまり軽く考えるなよ。カラオケみたく誰かが作った歌をなぞるような歌い方するだけじゃ無理だ。曲の世界観だとかストーリーをしっかり頭に思い描いて歌わないと。オリジナルの歌い手はカナなんだからな」
あたしは雷に打たれたような衝撃を全身に感じた。
やっぱりナオキくん真剣なんだね…
ううん、だからこそ、そんな貴方を側で支えていきたいよ。

「やってみる。その歌の歌詞教えて」

「分かった、じゃあこれ、期限は3日後だ」

手書きの歌詞が書かれた紙を受け取る。
絶対、合格してみせるよ。あたし自身の為にも、
ナオキくんの為にも。
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