恋花火~あの日、言えなかったコトバ~

花嫁修行?!

「それでね、その時サヤカったら…」

「おいおい、いいのか?テスト勉強」

「あーもうこんな時間!どうしよ…全然進んでないよぉ」

「仕方ねぇな、勉強見てやろうか?あとは現代文と英語だろ?」

「いいの?ナオキくんも論文あるんでしょ?」

「俺の方はまだ日にち余裕あるから大丈夫」

「じゃあ夕御飯作って待ってるね。何か食べたいのある?」

「カナの得意なやつでいいよ。あ、魚は苦手かも」

「りょうかーい。準備とかあるから7時くらいに来てくれる?」

「ああ、また後でな」

それからあたしは急いでスーパーに向かった。

「♪~」

鼻歌を歌いながら買い物かごに食材を入れていく。

「楽しそうね。彼氏に御飯でも作るの?カナちゃん」
「あ、おばさん、こんばんは」

マイのお母さんとばったり出会う。
娘がお菓子作り得意なだけあって、おばさんも料理がすごく上手だった。

「そうなんです。でも実は今日作るのが初めてで…
何かコツとかありますか?」

「そうねぇ…ベタだけど愛情は大切よ。多少失敗しても想いがこもってたら自然と相手にも伝わるの」

「想い…かぁ」

「ふふ、カナちゃんなら大丈夫よ。頑張ってね」

「はい、ありがとうございます!」
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