恋花火~あの日、言えなかったコトバ~

未来の約束

「それで、この問題は主語が***だから…」

「あーなるほど、ナオキくん教えるの上手だね」

「家庭教師の経験あるからな。このくらいは当然」

「でも英語苦手なあたしにも分かりや…あっ」

ペンを床に落とし、慌てて拾おうとすると、
ナオキくんも拾おうとしてくれたからか
お互いの顔がすごく近くなる。
ドキドキが止まらないあたしは
話題を変えようとナオキくんに話し掛ける。

「つ、次、この問題なんだけど…」

「これは、下線部が指してるのがこの部分だから…
あれ、あの写真っていつ撮ったの?」

壁に貼ってあった写真を見て
ナオキくんがあたしに尋ねる。
ペンを置いて壁の方を見ようと顔を向けた瞬間…

「…っ」

不意打ちのキスをされた。
さっきペンを落とした時のタイミングでされなかったから
あたしはすっかり油断していた。

「…もう、バカ」

「さっきの体勢じゃ出来なかったろ。2発目来るって準備しとけよ」

「そんなの分かんないよぉ…大好き」

「ああ、俺も」

珍しくナオキくんが気持ちを言葉にしてくれた。

これはもう、テスト勉強どころじゃないかも…
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