恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
「うーん…あまり言いたくないけど、
それはカナにも悪いとこあるよ。納得できないだろうけど」

「サヤカまでナオキくんの肩持つの?」

「違う違う。ねえカナ、
男の子ってね、理屈で物事を進めないと気が済まない生き物なんだよ。
だから、例え難しくても
ほんの1つ2つ好きなとこ挙げるだけで良かったの」

「……」

「恋愛って、男と女って
難しいよね。1つ1つの問題に正解なんてないし」

「うん…」

「だから今回は、どっちが悪いとかじゃなくて
ただ気持ちがすれ違っちゃっただけ。
彼氏さんも今頃気付いてるよ。
今夜マイが泊まりに行くんでしょ?
お菓子の作り方でも教えてもらって、明日謝りに行っておいで。それで万事解決するから」

「うん、そうする。ありがとう、サヤカ」


それまでの経緯を話して、
あたしはマイに手伝ってもらいながら

クッキーを焼いた。不慣れだったから少しいびつな形になっちゃったけど、

何とか見た目でハート型だと分かる程度には作る事が出来た。

神様、ナオキくんとまた

仲直りが出来ますように…
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