恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
「嘘だろ…

目開けてくれよ、カナ…」

留守電にメッセージを残してから数十分後、

講義中で電話に出られなかった

カナの彼氏ーナオキさんが
ようやく病院に姿を現した。

「最後の最後、一瞬だけ

カナは意識を取り戻して

ナオキさんの名前、つぶやいてたんです。

あの、良かったらこれ…」

事故に遭った際、カナと共に

病院に届けられたカバンの中に入っていた

ピンクの袋を差し出す。

「…これは?」

「失礼ですけど昨日

カナとナオキさん、喧嘩しましたよね?

それで、あの子が仲直りの為にクッキーを焼いたんです。

今日、事故に遭ったのも

カナがナオキさんにそれを
届けに行く途中だったみたいで…」

「そんな物の為にカナは…

いや、俺のせいだよな…

俺が昨日、あんな事で喧嘩してなかったら

カナは今もきっと…」

「そんなに自分を責めないでください。

ほらこれ、メッセージカードもついてるんですよ」

カナの親友ーサヤカちゃんから

カードを受け取った俺は

ゆっくり中を開いてみた…

そこに書かれていたのは…
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