恋花火~あの日、言えなかったコトバ~
N SIDE(後編)
「久しぶり、どうした?話したい事あるって聞いたけど」
「実は…俺、もっかいバンドやりてぇんだ。プロになりたいんだよ」
「…1度逃げたくせに?学祭での醜態また繰り返す気かよ。音楽ナメんなよ」
容赦ないコメントが飛んでくる。現在進行形で音楽活動をしているコイツは俺以上に現実の厳しさを知ってる。
事実、俺は逃げ出した。
思い出したくもない過去の汚点だが、当時の学祭でヴォーカルとして舞台に立った俺は、緊張のあまり一言も歌う事の出来ないままライブを終わらせてしまったのだ。
「わかってる、わかってるよ。だけど…やっぱり俺音楽やりたいんだ。ヴォーカルじゃなく別のパートで」
「…ならベースやってみたら?本来のオマエの性格考えたら多分一番向いてる」
俺の言葉が届いたのか、今度はちゃんと向き合ってアドバイスをしてくれる。やっぱりこいつと親友でよかった。
「ありがとう、相談できてよかった。感謝してるよ、タカ」
「もう逃げんなよ、ライブまでこぎつけたら連絡くれな。絶対見に行くから」
「ああ、ありがとう」
そう言って電話を切る。
「よし、じゃあ早速ベース買わなきゃな。メンバーも探さないと」
改めて決意を新たにし、プロを目指す道を選んだ俺はこの後、一人の少女と出会う事になる。
この時の俺は、まだその出会いを予想すらしていなかった。
~第1章に続く~
「実は…俺、もっかいバンドやりてぇんだ。プロになりたいんだよ」
「…1度逃げたくせに?学祭での醜態また繰り返す気かよ。音楽ナメんなよ」
容赦ないコメントが飛んでくる。現在進行形で音楽活動をしているコイツは俺以上に現実の厳しさを知ってる。
事実、俺は逃げ出した。
思い出したくもない過去の汚点だが、当時の学祭でヴォーカルとして舞台に立った俺は、緊張のあまり一言も歌う事の出来ないままライブを終わらせてしまったのだ。
「わかってる、わかってるよ。だけど…やっぱり俺音楽やりたいんだ。ヴォーカルじゃなく別のパートで」
「…ならベースやってみたら?本来のオマエの性格考えたら多分一番向いてる」
俺の言葉が届いたのか、今度はちゃんと向き合ってアドバイスをしてくれる。やっぱりこいつと親友でよかった。
「ありがとう、相談できてよかった。感謝してるよ、タカ」
「もう逃げんなよ、ライブまでこぎつけたら連絡くれな。絶対見に行くから」
「ああ、ありがとう」
そう言って電話を切る。
「よし、じゃあ早速ベース買わなきゃな。メンバーも探さないと」
改めて決意を新たにし、プロを目指す道を選んだ俺はこの後、一人の少女と出会う事になる。
この時の俺は、まだその出会いを予想すらしていなかった。
~第1章に続く~