嘘と煙草と君とチョコレート
果敢にも利光さんに話し掛けに行った優希の背中を見送り
遠くを見つめていると、
林さんが近づいてきた。

まるで駄々をこねる子供をあやし疲れた父親のような顔をしている。


「・・・またメールするね。」

「あ゙っ!?」

驚いた私を見て、
林さんは顔色一つ変えずに帰ってしまった。
「どした?」

後ろから話し掛けた優希の声にハッと我にかえった。

「林さんが・・・
"またメールする"って・・・」

そう言うと優希は一瞬驚いたが、
すぐにニヤリと笑った。

「なに、その笑顔。」

「いや、話変わるんだけどさ・・・
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