嘘と煙草と君とチョコレート
「さくらちゃん、ちょっと来て。」

そう言いながら小さく手招きをしている。

あまりにも真剣な顔が少し怖くて、
私はその場から動けずにいた。

そんな私に気付いた優希が、
背中をポンと叩きながら言った。

「行ってこやぁ。」


優希の声援に答えるように、
私は顔色一つ変えない林さんのもとへ歩いて行った。


「何?」

そう言いかけた私の言葉を遮るように、
林さんは言った。


「前にファンレターくれたよね。
あれにケー番とメアド書いてたでしょ?」

どうして急にそんな話を持ち出すんだろう。

話の意図が全く見えない私は、
とりあえず頷いた。
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