嘘と煙草と君とチョコレート
それから4時間後、
私はまだケータイを握り締めていた。


[さくらです。
亜紀さんにメアド聞きました。
本当に林さん?
林幸喜さんですか?]



打ち終わった文章を、
何度も何度も読み返した。

あとは送信するだけなのに、
送信ボタンを押せないまま時間だけが過ぎていった。


ベッドから起き上がり時計を見ると、
もう12時を回っていた。

やばい!!
あまり遅い時間に送れば迷惑が掛かる。

私はギュッと目を瞑って、
送信ボタンを押した。
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