嘘と煙草と君とチョコレート
来は慣れた手つきでカメラを作動すると、
林さんを何度も指差した。

「はよ行きゃあ。」

「ありがとっ。」


私は林さんの横へ並んだ。

「入りきらんで寄って!
ほら、もっと寄って!!」


いや、確実に入ってるはずなんだけど・・・


まんまと来の罠にはまった林さんの肩が触れた。

心臓がバクバクしすぎて痛い。

「撮れたよ〜。」

来がケータイを閉じながら言った。

「あ、ありがとうございましたっ!!」

私は深くお辞儀をした。

そんな私の行動がおかしかったのか、
林さんは腹を抱えて笑っている。




・・・これが、林幸樹との出会い。
< 18 / 380 >

この作品をシェア

pagetop