嘘と煙草と君とチョコレート
「まじで!?誰!?いつ!?」

すれ違った後輩が、優希の大声に驚いて振り返った。


授業が始まるまで、まだ時間はある。

私は廊下に座り込んで、優希に林さんの事を話した。

話ベタな私の話を、優希は真剣に聞いてくれた。


優希は私にとって、特別な存在。

高校に入ってすぐ同じクラスだったけど、あまり喋る事はなかった。

2年になってクラスは別々になったが、
ある日廊下で優希を見かけ、声をかけた。

「ねぇ、一緒に帰ろ!!」

なぜこんな事を言ったのか自分でも分からない。

家がすぐ近くだという事が分かり、
一緒に登下校するようになった。

それからお互いの色んな話をして、
いつの間にか傍にいるのが当たり前になっていた。
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