嘘と煙草と君とチョコレート
「あ・・・、はい。」

拍子抜けした私の返事を聞いて、
林さんはクスッと笑った。


「あ、そうそう。
こないだの事さ、利光に言ったんだわ。」

予想外の告白に、
頭の中が真っ白になった。

しかも、かなりあっけらかんとした口調だし。

「はっ!?利光さんにっ!?」

「うん。言った。」

「・・・利光さん、何て言ったの?」


少しの沈黙が流れた。

心臓がバクバクする。

もし、
"そんな事許されない"って言われてたら?

もう二度と、あんな風に林さんに会う事ができないかもしれない。

それならまだいい。

"ファン"として林さんの傍にいる事すらできなくなるかもしれない。


私はギュッと目を瞑った。
< 225 / 380 >

この作品をシェア

pagetop