嘘と煙草と君とチョコレート
「どしたの、その髪。
俺より短いじゃん。」

そう言いながら、林さんは私の顔を覗き込んだ。

たったそれだけの仕草で、
私の心臓は激しく脈を打った。

「べ、別に意味なんてないけど〜!!」

自分でも分かる位真っ赤になった顔を隠したくて、
私は優希のもとへと走って逃げた。


林さんは話しをする時、
いつも身を屈めて顔を覗き込んでくる。

背の高い林さんが目線を合わせる為には仕方のない事だけど、
あまり近くで見つめられると
一瞬で思考回路が停止してしまう。
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