嘘と煙草と君とチョコレート
不意に背後から声を掛けられて、
心臓が飛び跳ねた。

驚いて振り返ると、
半笑いの林さん。

って事は・・・
やっぱり優希はいない。


「べ、別に。何でもない。」

首を左右に大きく振った私を見て、
林さんは拍子抜けしたような顔をした。

「ふぅ〜ん。ならいいけど。」

そう言うと林さんは物配ブースの前にしゃがみ込んで、
なにやらゴソゴソと探り始めた。

そして何かを思いついたように顔を上げて、
私を見た。
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