嘘と煙草と君とチョコレート
「ちゃんと渡せるかな・・・。まじ緊張する。」


私は優希に言われるがまま、
林さんへのファンレターを書いていた。

優希曰わく、
「話かけるキッカケはこれしかない!!」と。

私は思いつくままペンを進めた。

学校の事、
好きなミュージシャンの事、
あの日林さんを見て一目惚れした事。

何度も読み返してチェックをして、
最後に自分の名前を書いて封筒に入れようとした私の手を、
優希が止めた。

「さくら!!
ケー番とメアド書かなかんて!!」

「・・・なんで?」

驚いた私を見て、優希はもっと驚いた。

「はぁ!?とりあえず書いときゃあ!!」

・・・目が本気だ。

優希の熱意に押され、
というより自分でも微かな期待を胸に、
ケー番とメアドを書いた。

"連絡してね♪"

と小さく添えて。
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