嘘と煙草と君とチョコレート
手紙を書き終えた頃には開演時間が近づいていたので、
ライブハウスへと足を踏み入れた。

暗くて何も見えないし、
会場の雰囲気もよく掴めない。

とりあえず近くにあった椅子に腰掛けて、
息を整えた。

あまりに緊張して、何だか落ち着かない。

しばらくすると女性ヴォーカルのバンドが出てきたけれど、
音痴な私でも分かる位、
やばい。

その後も次々とバンドが出てきたが、
一向に林さんの姿がない。

不安に駆られていると、隣から声が聞こえてきた。
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