嘘と煙草と君とチョコレート
「ないない!!
んな訳ないって!!」

自分に言い聞かせるため、
私は出来るだけ笑った。


「分からんよ〜。
奴も男だでな。フフッ」

亜紀さんはこの状況を楽しんでいるのか、
声を殺して笑っている。

「だから、ちゃんと林さんの気持ち、聞きなよ?
"そのまま流れで〜"
なんて、絶対にいかんで。

・・・まぁ、なんかあったらまた電話してきな。」

・・・まだ笑ってる。

「は〜い。んじゃまたね。」


私はケータイを折り畳みながら、
一つ小さな溜め息を吐いた。

バイトまであと2時間、
林さんが迎えに来るまであと8時間・・・
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