嘘と煙草と君とチョコレート
顎まで湯船に浸かって壁のタイルを眺めていると、
ふと、亜紀さんの言葉を思い出した。

「男の部屋に行くって事は・・・
ありえる事でしょ?」



・・・私自身、それを望んでいるのかもしれない。

脱衣所にはお気に入りの服を用意してある。


あの野外ライブの日、
自分のメアドを
"亜紀さんに聞いておいで"と言った日も、
この服を着てた。

首もとと背中にざっくりとV字の入ったタオル地の白いTシャツ。

その下に着るのもお気に入りで、
肩紐がなくて首もとで紐を結ぶタイプの茶色のキャミソール。
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