嘘と煙草と君とチョコレート
小さく頷いて車から離れた私を確認してから、
林さんは車を少し動かした。

助手席と壁との間に大きなスペースが生まれた。

「の、乗っていいんだよね・・・?」

誰に問い掛けるでもなく、私は呟いた。

答えを求めて林んを見ると、
不思議そうな顔をしていた。

・・・当たり前か。

車に乗らない事には何も始まらないのに、
私は少し怖じ気づいた。
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