嘘と煙草と君とチョコレート
「ふぅ〜暑いね〜。」

顔の赤さを誤魔化そうとして絞り出した言葉がそれだった。

まぁ、その程度で誤魔化される林さんじゃないけど・・・

大きく息を吐いて気持ちを落ち着けてからふとバックミラーを覗くと、
前髪がありえない位くちゃくちゃになっていた。

きっと、乾かさないままここまで走って来たから。


"こんな事ならちゃんと乾かせばよかった・・・"


身を乗り出してバックミラーを見ながら手櫛でなおしていると、
横から林さんの顔がニョキっと出てきて視界を遮った。
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