嘘と煙草と君とチョコレート
「あ、お腹すいた?」

車線変更をしたいのか、
林さんはサイドミラーを見たまま私に話し掛けた。

・・・良かった。

また赤くなり始めた顔を見られないで済んだ。


「うん、かなり。」

家に帰ってからは勿論の事、
バイト前のお昼ごはんも食べてなかった私は、
背中とお腹がくっつくんじゃないかと思う位、
空腹だった。

「ん〜どうしよっかな〜。
今、何もないんだよね〜。
ん〜。」

私に言ってるのか独り言なのか分からないトーンで、
ハンドルに顎を乗せながらブツブツ言っている。
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