嘘と煙草と君とチョコレート
「ねぇ、林さんかっこよくない!?
私すごい好きなんだけど!!」

「ん〜、別に。
ウチのタイプではないね。
しいて言うなら、ヴォーカルかなぁ・・・
ってか、聞いてる!?」

視力2.0の私は、暗闇の中の林さんを見つけた。

「女の人と話しとる・・・」

「あ、本当だ。
あの人、さっきさくらの隣におった人だよね?」

落ち込む私を見かねたのか、
優希に背中を強く押された。

バランスを崩してよろけた瞬間、
林さんと目が合ってしまった。


・・・動けない。


助けを求めるように優希の方を振り向くと
「頑張れ!!」と小声で言った。

その声援を無駄にしないためにも、
私は一歩足を踏み出した。

林さんは不思議そうにこっちを見ている。
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