嘘と煙草と君とチョコレート
DICE
小さな部屋。

玄関と呼ぶには小さすぎる半畳程のスペースには
男物の靴達が散らばっていた。

「さ、上がって。」


小さく頷いて一歩足を踏み入れると、
体全体が林さんの香りに包まれた。

シャンプーの香り?
香水?

それがあまりにも甘すぎて、
息をするのも忘れてしまいそうになる。


・・・私、発狂しそう。



不思議そうにこっちを見る林さんに気付いて、
私は急いで靴を脱いだ。


「お邪魔しま〜す。」

極度の緊張で声がうわずる。
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