嘘と煙草と君とチョコレート
ドキッとして振り向くと、
拗ねたような、少し怒ったような顔をした林さんが私を見下ろしていた。

ただでさえ身長差があるのに、
座っているせいで
林さんが巨人のように大きく見えた。

「い、いや・・・別に〜アハハッ」


「ならいいけど。
ってかさ、何でそんな地べたに座ってんの?
これ使いな?」

そう言って林さんは、
部屋の隅にあった座椅子を一つ、
私の所へ持ってきた。

「はいっ。」

「あ、ありがと。」

「まぁ、テレビでも見てて。」
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