嘘と煙草と君とチョコレート
・・・え?


手が離れた。


驚いて林さんを見たけど、
私が見るよりも先に顔を逸らしていた。

頭をクシャクシャと掻いて、
小さい声で何か言ってる。


この変な空気を打ち破る術が見つからなかった私は、
何も映っていない真っ黒なテレビ画面をただ見ていた。

・・・見ていたというか、
ただ目がそこを向いていただけ。

色々な考えが頭の中に飛び交って、
今にも爆発しそう。
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