嘘と煙草と君とチョコレート
ブーブーブー



その大きな音にびっくりして、
大きく後ろにバランスを崩した私はそのまま尻餅をついた。

机の上に置いてある林さんのケータイが、
バイブ機能で小刻みに振動してる。


「ん〜・・・」

目を覚ましたらしい林さんは薄目を開けて音のする方向を確認すると、
寝た状態のまま机へと手を伸ばした。

今にも眠りに落ちてしまいそうな、
夢現(ユメウツツ)な表情。

林さんはケータイを開いてバイブを止めると、
床にポンッと放り投げてそのまま寝てしまった。


当の私はというと、
尻餅をついたまま動けずにいた。
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