嘘と煙草と君とチョコレート
正直、焦った。

まさか、あんなタイミングでケータイが鳴るなんて
思ってもみなかったから。


「何やってんだろ、私・・・」

尚も甘い誘い文句を囁いてくる悪魔を振り切る為に、
私は立ち上がった。

そして林さんを起こさないように忍び足で玄関へと向かい、
ゆっくりと扉を開けた。



空はもうすっかり明るくなっていて、
思いの外涼しい風が私を包んだ。

扇風機をフル回転してる部屋よりも、ずっと快適。
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