嘘と煙草と君とチョコレート
私は玄関の扉にもたれて、溜め息を吐いた。


ここではないどこかへ行ってしまいたい、
そう思った。

なぜかは分からない。

"不安定"
その言葉が今の私にはぴったりだと思う。

色々な考えが交錯して、今にも頭が爆発しそう。




部屋に戻った私は、
林さんの横をそうっと通り抜けてベッドに腰掛けた。

ギシッと小さな音を立ててスプリングが軋む。
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