嘘と煙草と君とチョコレート
林さんは何か言おうと口を小さく開けては閉じて、
その度に顔を少し歪ませた。

多分、慎重に言葉を選んでる。

私が悪者にならないように、
そして私を傷付けないように。

それが林さん。

優しさに満ち溢れた人。


でも、その優しさがまた私を辛くさせた。

大好きな林さんにこんな顔をさせるのは嫌だ。

私は小さく深呼吸してから口を開いた。


「・・・はっきり言ってくれていいんだよ?

そしたら・・・日曜までには忘れてさ、
またいつもの私に戻るから。
私、強いから・・・ね?」
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